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◯アウトリガーカヌーとは

 

 

丸太をくり抜いて作られた「丸木舟」に、舟体(Hull:ハル)から外側に棒(Iako:イアコ)で突き出し、棒に浮き(Ama:アマ)をくくりつけた乗り物です。その突き出た部分がアウトリガーになります。アウトリガーがついた丸木舟:カヌーが、アウトリガーカヌーです。

アマは主に片側だけに出します。

起源は諸説あるようで、未だ確定的なものはないようです。

 

 

「丸木舟」は文字通り丸い木の舟。

気をクリ抜いただけですから、ひっくり返り易いです。

そのままでは大陸から外洋に進出するのが、困難と判断した古代の人たちが、生き抜くために大海原を航海できる手漕ぎ舟として、その舟の外側に浮きを突き出した物を創り上げた、それがアウトリガーカヌーです。

 

帆を張って、風を利用して移動することもできます。

その場合は、両側にアウトリガーを出してさらに転覆の予防をしたりします。

ハルの形状は細く長いもので、上から見ると鉛筆のような形です。

幅は大人の肩幅くらいなので、長さに対して接水面積も小さく、

海を突き進んでいくようにスピードが出ます。

 

大海原に漕ぎ出ることが可能な特性上、波やウネリにも強く進めます。

また、波やウネリを捉えて、その力を利用してカヌーサーフィンをして、滑らせるように進んで行くこともできます。

 

近年では移動や食料の獲得のためというよりも、スポーツ性が高まりました。ハワイやタヒチに始まり、オーストラリアやヨーロッパ、アメリカなどの各地でも、頻繁にアウトリガーカヌーのレースが行われています。

 

舟体の材質も、巨木からFRPやカーボンに変化し、

軽くてスピードのさらに出るものへと進化しています。

 

乗れる人数によって名称が付いていきます。

 

1人乗  OC1

2人乗  OC2

4人乗  OC4

6人乗  OC6

12人乗  OC12(OC6を2つ繋いだ(ダブルハル)もの)

 

タヒチではV1、V2・・・V6と呼ばれています。

3人乗りのV3もあります。

 

 

 

 

 

◯アウトリガーカヌーのシート順での役割

 

アウトリガーカヌーは細く長いので、前方から方向に向かって、一列になって座り漕ぎます。

その座っている場所(シート順)での、役割がそれぞれあります。

前方から後方へ順に1番シート、2番シートと数えていきます。

ここでは

 

 

●1番シート

リズム感とそれを長く継続できる持久力が大切なシート。波やウネリと風などの周りの状況を感じながら、パドリングのピッチとタイミングを刻みます。

 

●2番シート

1番シートにタイミングを合わせて、そのカヌーでのリズムを共に創り上げていくのが大切なシート。ピッチとタイミングを合わせるだけでなく、1番シートへその状況に応じた変化の対処の為に指示をする(ピッチ、タイミングなど)。2番シートのタイミングが合わないとカヌー全体の漕ぎのリズムが創ることができずに、カヌーが思うように滑らなくなってしまいます。通常は1番シートと逆のサイドを漕ぎます。コールをすることもあります。

 

●3番シート

置かれている状況から、全体のリズムが崩れないようにする判断力が大切。波やウネリと風などの周りの状況を感じながら、タイミングを計ってコール(パドルチェンジの掛け声)をします。通常は1番シートと同じサイドを漕ぎます。パワーのあるパドラーが座ります。カヌーのエンジン的役割です。

コールは基本的には2番が行うようですが、モクプニパドリングクラブでは3番が主にコールを担います。

 

●4番シート

海に出て帰ってくるまで、漕いでいるカヌーの中で一番のフルパワーで漕げる体力があるのが大切。ハル(カヌー本体)の広い場所にシートがあるために、体格がよく、パワーがあるパドラーが座ります。3番シートとカヌーのエンジン的役割で、通常は2番シートと同じサイドを漕ぎます。

 

●5番シート

状況判断で対応できる経験が大切。ステアー(6番シート)のサポートをする。3番、4番シートと同様にパワーがあってカヌーのエンジン的役割で、さらに経験がある人が座ります。通常は3番シートと同じサイドを漕ぎます。

 

●6番シート(ステアーズマン)

海況や一緒に漕いでいるパドラーの体調、気力を推し量りカヌーを効率的に動かすことが大切。カヌーの舵取り役です。経験と感覚が必要です。海に出てから戻るまでを、無事に乗り切る為に重要なシート。答えが一つでない大海原でも、冷静に判断し、それを続けられる体力と漕ぐ力と気力を持ったパドラーが座ります。舵取り役なので、漕ぐサイドは一定でなく、カヌーの動きを予想して、1番から5番までと違うタイミングでパドルチェンジをします。

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